
カジノフロアを歩いていて、ひときわ大きな歓声やハイタッチが沸き起こっている場所があれば、そこは間違いなくクラップス(Craps)のテーブルです。
クラップスは、プレイヤーの代表者(シューター)が投げる2つのサイコロの出目によって勝敗を決めるアメリカ発祥の伝統的ダイスゲームです。最大の特徴は、「テーブルにいる全員がシューターと同じ側に賭け、仲間として一緒に勝利を分かち合える圧倒的一体感」にあります。
一見すると複雑に見えるテーブルレイアウトですが、覚えるべき基本ベットはわずか数種類。さらに、カジノゲームの中で唯一「カジノ側の控除率が完全にゼロ(0%)」となる驚異の賭け方(オッズベット)が存在します。
本記事では、クラップスの基本ルール、ゲームの進行ステップ、最強のオッズベット、そしてシューターとして投げる際のマナーまで完全網羅で解説します。
1. クラップスの基本ルールと進行サイクル
ゲームは「シューター(サイコロを投げる人)」が2つのダイスを振ることで進行します。 ゲームの1サイクルは、「カムアウトロール(第1投)」と、それに続く「ポイントロール(第2投以降)」の2つのフェーズに分かれます。
【カムアウトロール(1投目)】
├ 出目が「7」または「11」 ───→ パスライン即勝利!
├ 出目が「2, 3, 12」 ────────→ クラップス(パスライン即敗北)
└ 出目が「4, 5, 6, 8, 9, 10」 ──→ その数字が「ポイント」に決定!
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【ポイントロール(2投目以降)】
├ 「7」が出る前に【ポイント】が出た ──→ パスライン勝利!(ゲーム終了)
└ 【ポイント】が出る前に「7」が出た ──→ セブンアウト(全員敗北・シューター交代)
Phase 1: カムアウトロール(Come Out Roll / 第1投)
テーブルの中央にある「ON / OFF」と書かれた丸いマーカー(パック)が「OFF」になっている時が、新しいゲームの開始(第1投)です。 プレイヤーはテーブル外枠の「PASS LINE(パスライン)」にチップを賭けます。
- ナチュラル(Natural / 勝ち):
- 出目が「7」または「11」 → パスラインの即勝利(1対1の配当)。
- クラップス(Craps / 負け):
- 出目が「2」「3」「12」 → パスラインの即敗北(チップ没収)。
- ポイント確定(Point):
- 出目が「4, 5, 6, 8, 9, 10」のいずれか → その数字がこのゲームの「ポイント」となり、ディーラーがマーカーを裏返して「ON」にし、該当数字の上に置きます。
Phase 2: ポイントロール(Point Roll / 第2投以降)
ポイントが決定したら、勝負が決まるまでシューターは何度でもダイスを投げ続けます。
- 勝利: 「7」が出るよりも先に、再び【確定したポイント】を出せばパスラインの勝ち。
- 敗北(セブンアウト): ポイントが出るよりも先に、最頻出の「7」を出してしまうと全員負け(セブンアウト)。賭け金はすべて没収され、次のプレイヤーへシューターが交代します。
2. 最重要ベット:カジノ控除率0%の「オッズベット」
クラップスをプレイする最大の価値は、この「オッズベット(Odds Bet)」にあります。
オッズベットとは?
ポイントが決定した直後、パスラインに賭けていたチップの真後ろ(外側)にチップを追加で置く賭け方です。 この賭け金に対しては、カジノ側の手数料(ハウスエッジ)が一切入らない「数学的に完全に公正な確率オッズ(True Odds)」で配当が支払われます。
| 確定したポイント | ダイスの出現確率比 | オッズベットの配当比率(利益) |
|---|---|---|
| 4 または 10 | 2 対 1(難しい) | 2 to 1(2倍返し) |
| 5 または 9 | 3 対 2(中間) | 3 to 2(1.5倍返し) |
| 6 または 8 | 6 対 5(出やすい) | 6 to 5(1.2倍返し) |
カジノごとにオッズベットの上限(3倍〜5倍、10倍など)が定められていますが、「パスラインはテーブルミニマムの最低額に抑え、オッズベットに許容最大限のチップを積む」のが、クラップスで最もカジノ側控除率を極限までゼロに近づけるプロの黄金鉄則です。
3. その他の主な賭け方
- ドントパス(Don't Pass / ダークサイド):
- パスラインの逆張り(シューターの負けに賭ける)。数学的にはパスラインよりわずかに控除率が優秀ですが、テーブル全員が歓喜している中で一人だけ勝つことになるため、場の空気感を楽しみたい場合はパスラインが無難です。
- プレイスベット(Place Bet):
- シューターに関係なく、「7」が出る前に特定の数字(特に6や8)が出ることに賭ける。
- 「Place 6」「Place 8」はハウスエッジ1.52%と非常に優秀で人気があります。
- プロポジションベット(センターベット・中央枠):
- テーブル中央に描かれた「Any 7」「Any Craps」「Hardways(ゾロ目)」など。配当は大きい(4倍〜30倍)ですが、ハウスエッジは10%〜16%以上と極めて不利な罠です。
4. シューター(投げる人)のマナーと必須ルール
自分の順番が回ってくると、スティックマン(長い棒を持ったディーラー)から5つのダイスが差し出されます。
- サイコロは2つ選ぶ:
- 好きな2つを手元に残し、残りの3つは押し返します。
- 絶対に「片手」で扱う(両手厳禁):
- 不正防止(すり替え防止)のため、ダイスは必ず片手で持たなければなりません。
- テーブルの反対側の壁(ピラミッドクッション)に当てる:
- ダイスを投げる際は、テーブルの対角の壁にある凸凹のゴムクッションに両方のダイスが必ず跳ね返るようにしっかり投げるのが公式ルールです。
- テーブルの外に手を出さない:
- ダイスを持った手をテーブルの外側に出したり、視界から隠したりすると即座に警告を受けます。